ANA SFCが「PLUS」と「LITE」に分裂。ラウンジ・スタアラゴールドは年300万円決済の壁越え組だけに
ANAから、スーパーフライヤーズカード(SFC)のかなり大きな制度変更が発表されました。ざっくり言うと、SFCが「PLUS」と「LITE」の2階建てに分かれるという話です。
ANA SFCが2028年に制度変更!SFC LITEとSFC PLUSの違いをわかりやすく解説
ANA公式から、スーパーフライヤーズカード(SFC)に関する大きな制度変更が発表されました。2028年4月からは、ANAカード・ANA Payの年間決済額に応じて、SFC特典の内容が分かれる仕組みに変わります。年間決済額300万円以上は「S...
まず事実部分をできるだけ短く整理しておきます。
- 2028年4月1日から、SFCがSFC PLUSとSFC LITEの2区分になる
- 区分を分けるのは、ANAカード・ANA Payの年間決済額300万円のライン
- 判定期間は2026年12月16日〜2027年12月15日の1年間
- 2028年3月31日までは、今の統一されたSFC特典のまま
- SFC PLUSなら、ANAラウンジ利用・スターアライアンスゴールド資格・ボーナスマイル5,000マイルがついてくる
- SFC LITEは、ラウンジ不可、スターアライアンスはゴールドではなくシルバー、ボーナスマイルもなし
- 2026年4月からは、ANAカード券面の「スターアライアンス・ロゴマーク」も廃止される
「SFCを取った時点でラウンジとスタアラゴールドは一生ついてくる」という、これまでの大前提がけっこう派手にひっくり返される改定です。
「SFC取ったら上がり」時代の終わり
ぶっちゃけ、SFCって一度取ってしまえばあとは年会費だけで半永久的にラウンジ・スタアラゴールドが使える、というのが最大の魅力でした。だから「修行」なんて言葉まで生まれたわけですよね。
今回の改定で、このロジックがけっこう冷たく剥がされます。一度取ってしまってもSFC LITE側に落ちると、一番使いたかった特典が全部外れる。しかもスタアラはシルバー。シルバーではラウンジは入れないので、実質「ちょっと豪華なANAカード」くらいのポジションに格下げされる印象です。
これ、SFCを「老後の保険」的な感覚で持っている人ほど刺さるやつだと思います。現役でバリバリ乗って決済しているときに取って、リタイア後は飛ばなくなる…というパターンだと、ちょうど決済額が落ちたタイミングで特典を剥がされる流れになりかねません。
判定期間が意外と近い
個人的に「えっ」となったのが判定期間の近さです。
適用開始が2028年4月だから余裕に見えて、実は判定期間は2026年12月16日から始まる。つまり今年の年末からもう「走り出している」わけです。
2028年4月のPLUS入りを狙うなら、今年の12月から来年の12月までの1年間で、ANAカード+ANA Payの決済を300万円以上積み上げる必要があります。月25万円ペース。家賃と光熱費と食費と通信費と税金と…をANAに寄せていけば届かない数字ではないですが、「気づいたら秋で、あと3ヶ月でどうやって埋めるんだ」と焦る未来が容易に見えます。
私たちのポジションだとどうか
私たちはハワイへのロングステイ前提で、決済をANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード1本に集中させています。ANAダイヤモンド会員維持のために年間500万円決済を日頃から回しているので、300万円ラインは正直「普通に通ってしまう」側です。
だからこの改定で言えば、私たちは自動的にSFC PLUS側に残る前提のプレイヤーではあります。
ちなみに、この集中体制に落ち着いたのはわりと最近の話で、ダイヤ修行に本腰を入れる前はアメックス・プラチナに決済を全振りしていて、SFC維持のためのANA VISAゴールドを細々持っていただけだったんですよね。もし今もあの布陣のままだったら、「アメックスで貯めてきた流れを切ってまでANAに寄せるか」というかなり重い二択で、普通に頭を抱えていたと思います。数年前にANA側へ舵を切っておいて本当によかったと、今回の改定で改めてしみじみ感じるところです。
ただ、ここで胸を張るような話では全然なくて、むしろ「ダイヤモンド維持を外した瞬間にLITE側に落ちるリスクと一生向き合うことになる」というだけの話です。今までは「ダイヤを外してもSFCがあるから一応ラウンジは死守できる」という安心感が保険になっていましたが、今後はその保険の効きが弱くなる。
現役マイラーにとってはそこまで問題じゃないけど、走るのをやめた瞬間、SFCの保険機能が切れる設計になった、という感じ。
ハワイ目線で効いてくる「ラウンジなし問題」
私たちにとってANAラウンジは、ハワイ旅行の中でもけっこう大事な一部です。ホヌのプレエコで飛ぶ前に、ラウンジでうどんやそばを食べて、プレモルなり一番搾りを1杯ひっかけて、機内の食事を適度に軽くスタートする。このルーティンが崩れると、ハワイ旅行全体のテンションが地味にずれます。
もしLITE側に落ちると、この「空港で落ち着いてビール」ができなくなります。ハワイ線は朝発・夕方着の長丁場なので、ラウンジがあるのとないのとでは疲労度が違う。ここを失うのは、金額以上に体感ダメージが大きい気がしています。
逆に言うと、旅好き・特にハワイ派にとってSFC PLUSの価値は以前より確実に上がるとも言えます。希少性が増した分、持っている人ほど「手放したくない」と強く思う仕組みになった、というのがこの改定の本質なのかもしれません。
じゃあどうするのが落とし所か
特別な裏技を発見したわけではないですが、出不精視点で考えると取れる動きはこのへんに絞られます。
- 今のSFC民は、2026年12月から始まる判定期間に向けて、決済をANAカード+ANA Payに寄せる導線を今のうちに整える
- 年間300万円が現実的に厳しいなら、「SFCはLITE前提」と割り切って、ラウンジはクレカのプライオリティパス系や他社ラウンジで代替する設計に切り替える
- これからSFC修行を検討している人は、取得後の決済プラン込みで判断する。取って終わりの時代ではなくなった
私たちは今まで通りハワイと沖縄でコツコツ飛びつつ、決済もこれまで通りANA VISAに集中させる、という運用を続けるだけです。やることは変わりませんが、「SFCを取った安心」から「SFC PLUSを維持する意識」への切り替えが、今回の改定で静かに求められている気がします。
もうひとつの抜け道:ライフタイムマイルでPLUS側に残る
ひとつ地味に効いてきそうなのが、ANAのライフタイムマイル制度です。搭乗で積み上げた生涯マイルが100万マイルに到達すると、いわゆる「ミリオンマイラー」になるわけですが、どうやらミリオンマイラーはPLUS側に自動で組み込まれるらしい。
つまり年300万円ラインの決済ルートとは別に、「コツコツANAの飛行機に乗り続ける」真正面の長期戦ルートでPLUSに残れる道がちゃんと残されているということです。現役で決済を回せるうちは決済で、決済額が落ちてくる老後以降はライフタイムで、という二段構えにできるのが嬉しい。むしろ後者の方が、出不精夫婦の「コツコツ」価値観とよほど馴染みます。
100万マイルは正直なかなかの長期戦で、一気に届く数字ではありません。ただ、どのみちハワイと沖縄は継続して飛ぶので、ここから先はライフタイムマイル100万マイルを真面目に意識した運用に切り替えていこうと思っています。ミリオンマイラーというゴールが視界に入ると、1搭乗ごとの重みが少し変わる気もする。これはこれで悪くない副作用です。
ラウンジでプレモルを飲みながら、「このビール、300万円の決済でようやく守れるやつになったのか」と、ちょっと笑ってしまいそうな未来です。